空き家を相続したらどうする?放置せずに「早めの売却」をすすめる理由
少子高齢化と人口減少が進む日本では、全国的に空き家の数が増加しており、社会問題として深刻化しています。この記事を読んでいる方の中にも、
- 親から実家を相続したけど、遠方に住んでいて活用できない
- 別荘があるけれど、ここ数年全く行けていないまま放置している
というような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、今の日本では「使われていない家が増えている一方で、新築住宅がどんどん建てられている」という、いびつな状況が続いています。このままでは、誰もが空き家問題に直面する可能性がある時代に突入してしまうかもしれません。
そこで今回は、「相続などで空き家を手に入れたら、なぜ速やかな売却が望ましいのか?」について、具体的な理由や選択肢を交えて解説していきます。
空き家の主な取り扱い方法は3つ
実家などを相続しても、自分では住まないというケースは非常に多く、その扱いに悩む人が後を絶ちません。空き家の取り扱い方法は、大きく以下の3つに分類されます。
- 売却する
- 無償で譲渡する
- 有効活用する(賃貸や駐車場など)
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあります。ここからは、その特徴を分かりやすく整理していきましょう。
① 空き家を売却する
売却は、最も一般的な処分方法です。売却にもいくつかの形があり、
- 建物付きのまま売る
- 更地にして売る
- リフォームして売る
- 不動産会社に買い取ってもらう
などが選べます。
メリット
- まとまった資金が得られる
- 維持管理や税金の負担から解放される
- 手続き後はトラブルリスクが少ない
デメリット
- 状況によってはなかなか買い手が見つからない
- 放置期間が長いと建物の劣化が進み、売却価格が下がる
- タイミング次第で利益を取り損ねる可能性もある
② 無償で譲渡する
買い手が見つからないときや、早く手放したいときに検討される方法です。
メリット
- 売却益はなくても、維持費・固定資産税からは解放される
- 管理の手間がなくなり、トラブル回避にもつながる
- 譲渡相手さえ見つかればスムーズに手放せる
デメリット
- 売却収入は得られない
- 適切な相手を見つける手間がかかる
また、管理が不十分で事故や損害が出た場合、所有者に賠償責任が発生することもあるため、「所有しているだけ」でも注意が必要です。
③ 有効活用する(賃貸・転用など)
「せっかくなら資産として活かしたい」と考える人が増えており、賃貸経営や駐車場への転用を検討するケースもあります。
メリット
- 家賃収入など、定期的な収益が見込める
- 不動産としての資産価値を維持できる
デメリット
- 初期費用や運用リスクが高い(建替費・ローンなど)
- 借り手がつかず、赤字になる可能性もある
- 経営や税務処理などの知識が必要
※特に立地が悪い物件では、有効活用のハードルが高くなります。
空き家を早めに処分すべき5つの理由
空き家の取り扱いで迷った場合は、なるべく早く売却に着手するのが得策です。その理由を5つ紹介します。
理由① 維持費がかかり続ける
空き家を持っているだけで、以下のようなコストが発生します。
- 固定資産税(年間10~15万円ほど)
- 管理委託費(月1万円前後)
- 光熱費・保険料・交通費など
仮に5年間放置すると、軽く100万円を超える支出になることも。また、特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクもあります。
理由② 空き家は急速に劣化する
人が住んでいない家は、換気や掃除がされず、湿気・カビ・虫害などで急速に傷みます。その結果、売却価格が下がるだけでなく、解体費用を自腹で払うケースも出てきます。
理由③ 災害リスクを抱える
日本は自然災害が多く、地震・台風・大雨の被害が毎年のように発生しています。空き家が倒壊・浸水した場合、資産価値が下がるだけでなく、近隣への損害が発生するリスクもあります。
理由④ 近隣トラブルの原因になる
放置された空き家は、見た目の劣化や悪臭、害獣の発生、不法投棄などを引き起こし、近隣住民からのクレーム対象になりやすいです。最悪の場合、損害賠償の問題に発展することも。
理由⑤ 税制優遇が使えなくなる可能性がある
不動産売却には「3,000万円特別控除」という優遇措置がありますが、これは期限付きです。
- 居住用住宅:住まなくなってから3年後の年末まで
- 相続空き家:相続から3年後の年末まで
この期間を過ぎると、税金が数十万円単位で発生することもあります。
まとめ|空き家は「負動産」になる前に処分を
空き家を放置してしまうと、資産どころか「負債」となり、多額の費用やトラブルの元になってしまいます。賃貸などの活用が難しい場合は、できるだけ早く売却に踏み切ることが重要です。
将来、空き家をどうにかしたいと考えているなら、「今が一番高く売れるチャンス」かもしれません。迷っているなら、まずは専門家に相談して、売却の選択肢を検討してみてください。
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