空き家の処分は『買取』が正解損メリット・デメリット

空き家

相続した実家、どうする?売れない空き家の“強い味方”は「買取」

親が住んでいた実家などを相続した場合、「どう扱えば良いのか分からない」と悩む人は少なくありません。すでに自分の住まいがある場合や、実家が遠方にあって移住が難しい場合、また築年数が古く劣化が進んでいる場合など、売却しようとしても買い手がつかないことも珍しくありません。

こういった状況で頼りになるのが、「不動産買取」という選択肢です。不動産会社がその物件を転売目的で直接買い取ってくれるため、買い手探しの手間なく、スムーズに空き家を手放すことが可能です。

一般的には、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」という手法がよく知られていますが、買取については「足元を見られるのでは…」という不安から敬遠されることも。しかし、実際には空き家にこそ買取が適しているケースが多くあります。この記事では、空き家を「買取」で処分する際のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。


空き家を放置するのは危険

日本では新築志向が根強く、人口が減少する中でも住宅の供給が続いており、空き家の数は年々増加しています。相続などで空き家を所有することになっても、自分が住む予定がなければ、そのまま放置されがちです。しかし、空き家を管理せずに放置することには大きなリスクがあります。

特に注意が必要なのが、「特定空き家」に指定されるケースです。これは、以下のような状態の空き家を指します。

  • 倒壊などの危険がある
  • 衛生上、有害となる恐れがある
  • 景観を著しく損ねている
  • 周辺住環境に悪影響を及ぼしている

このような空き家に対しては、空き家対策特別措置法により、行政が是正を命じたり、最悪の場合は強制的に解体し、費用を請求してくることもあります。また、固定資産税の軽減措置も打ち切られ、税負担が重くなるリスクも。


空き家を「買取」で手放すメリット

1. 古くて傷んだ家でも売れる

仲介ではなかなか買い手がつかない築古物件でも、不動産会社であれば問題なく買い取ってくれるケースがあります。特に築30年以上で建物の劣化が進んでいる物件では、個人向けの販売が難しく、更地にしてからでないと売れないこともありますが、買取ならそのままでもOK。解体費を自己負担せずに済む点も大きなメリットです。

2. 家財道具が残っていても売却可能

親の思い出の詰まった家具や生活用品がそのまま残っていても、買取なら問題ありません。仲介では片付け・処分が必須になりますが、買取なら不用品がある状態でも買い取ってもらえるケースが多く、手間もコストも大幅に省けます。

3. すぐに現金化できる

不動産会社が直接買い取るため、価格に納得すれば短期間で売却が成立します。仲介では買い手探しに数ヶ月、場合によっては年単位で時間がかかることも。空き家の維持費や固定資産税をこれ以上かけたくない方には、スピード感のある買取は大きな魅力です。

4. 仲介で売れなかった家も売れる可能性あり

仲介では買い手が見つからなかった物件でも、買取では問題なく売却できるケースが多数あります。不動産会社は建替えやリフォームのプロなので、物件の状態を問わず取引が進みやすいのが特徴です。

5. 売主責任を負わずに済む

仲介での個人間売買では、2020年から導入された「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」が売主に課されます。不具合があった場合、損害賠償請求されるリスクも。しかし、買取ではプロである不動産会社が相手のため、売主責任を問われることはほとんどありません。


買取の注意点・デメリット

1. 買取価格は相場より低くなりやすい

最大のデメリットは、一般的な仲介売却に比べて買取価格が低くなる傾向があることです。不動産会社は買取後に転売することで利益を得るため、その分を差し引いた価格での提示となります。また、買取価格は公開されるものではないため、相場が分かりにくい点も注意が必要です。

悪質な業者に当たると、必要以上に安く買い叩かれることもあるため、複数社に査定依頼をするなどして、慎重に比較検討することが重要です。

2. 全ての物件が対象とは限らない

どんな空き家でも買い取ってもらえるわけではありません。不動産会社が転売で利益を出せないと判断した物件(再建築不可や極端に立地が悪い物件など)は、買取を断られることもあります。


まとめ|空き家処分で悩んだら「買取」も視野に

相続などで手に入れた空き家は、放置すればするほど劣化が進み、維持コストが膨らみ、リスクも増します。特に遠方に住んでいて管理が難しい場合や、築年数が古くて買い手がつかないといった状況では、仲介による売却はハードルが高いのが現実です。

そんな時は、「買取」という手段を検討してみてください。価格は少し下がるかもしれませんが、売却までのスピードや手間の少なさ、リスク回避といった面で、多くのメリットがあります。

迷ったら、まずは信頼できる複数の不動産会社に査定を依頼し、比較検討してみましょう。空き家の悩みは、早めの行動でスッキリ解決できますよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました