古家は売れない?相続などで取得した古い家を売るための現実的な選択肢とは
相続や贈与などで古い家を手に入れたものの、「どうしたらいいのかわからない」と悩んでいる方は非常に多いです。
もし近くに住んでいて、自分でその家に住む予定があるならまだしも、すでに遠方にマイホームを構えているような場合、管理の手間や固定資産税などを考えると「なるべく早く手放したい」と考えるのは当然のことです。
ただし、築年数が古く、建物の劣化が進んでいる場合、いざ売却しようとしてもなかなか買い手が見つからず、税金や維持管理の費用だけが出ていく…いわゆる“お荷物不動産”になってしまうこともあります。
では、古家がある土地は本当に売れないのでしょうか?
答えは**「売却可能!」**です。
ただし、古家を売却するにはいくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。この記事では、古家をスムーズに手放すための方法と注意点をわかりやすく解説していきます。
なぜ古家は売れにくいのか?
「家を持つのは夢」と思う方も多いでしょうが、築20年以上の家、いわゆる“古家”になると、様々なリスクや懸念から敬遠されがちです。
法定耐用年数と古家の価値
日本の木造住宅の法定耐用年数は22年と定められており、それを超えた住宅は資産価値がゼロと見なされるケースも珍しくありません。もちろん、築22年を超えた家が必ず住めないわけではありませんが、「雨漏り」「シロアリ」「耐震性」などの不安材料が増えるため、買い手にとってはハードルが高くなってしまうのです。
古家が売れにくい3つの主な理由
① 再建築不可のリスク
古い家は、現在の建築基準法では再建築が許可されない「再建築不可物件」であるケースがあります。これに該当する土地では、たとえ家を取り壊しても新しい建物を建てられず、売却が困難になります。
② 地中埋設物のリスク
古い家の敷地内には、過去の工事や建て替えなどの際に廃材やガレキが埋まっていることもあります。こうした埋設物があると、後から買主に指摘されてトラブルに発展することもあります。
③ 耐震基準が旧仕様
1981年以前に建てられた家は、現在の耐震基準を満たしていないケースが多く、大きな地震に耐えられる構造ではないと判断されることがあります。これも買い手にとってのマイナスポイントです。
古家を売る3つの方法とその特徴
「古家付きの土地=売れない」と思われがちですが、実際には**売る手段はあります。**以下の3つの方法が代表的です。
1. 古家を解体して更地にして売却
築古で家に価値がない場合は、思い切って解体し、更地にして売り出す方法です。
メリット:- 建物の瑕疵による売主責任リスクを回避できる – 買主がすぐに新築を建てられるため売れやすい – 土地価格で査定されるため、高く売れる可能性も
デメリット:
解体費用(50坪で約150万円)がかかる – 更地にすると固定資産税が最大6倍に上がる – 解体後の滅失登記や近隣への挨拶など、一定の手間がかかる
2. 古家付き土地としてそのまま売却
「そのままの状態」で売り出す方法です。土地に価値を見出してもらうことがポイントになります。
メリット:
– 売却準備に手間や費用がかからない – 古家があることで固定資産税の軽減措置が継続される – 古材や太い柱に価値を見出すリノベーション層に売れる可能性がある
デメリット:
– 売却後に瑕疵を指摘され、売主責任を問われるリスクがある – 解体費用を嫌って買主がつきにくい可能性がある
3. 不動産会社に直接買い取ってもらう
「不動産買取」という方法では、不動産会社が直接古家ごと買い取ってくれます。スピード重視の方におすすめです。
メリット:
– 最短数日で現金化できる – 売却後の契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を免れる – 仲介手数料が不要で、手続きがシンプル
デメリット:
– 仲介による売却より1~3割ほど価格が下がる – 相場より安く手放す可能性がある
まとめ|古家でも売却できる!選択肢を知って後悔しない判断を
築年数が経過した古家は、「売れない」「手放せない」と思われがちですが、実際には適切な方法を選べば売却は可能です。大切なのは、自分の状況や優先順位に合った方法を選ぶこと。
- 「手間をかけずに早く売りたい」→ 不動産買取
- 「高く売りたい」→ 更地にして売却
- 「費用はかけたくない」→ 古家付きでそのまま売却
どの方法にもメリット・デメリットがありますが、「売れない」とあきらめて放置するのが一番リスクです。時間が経てば経つほど、建物の劣化や固定資産税の負担も増えていきます。
「この古家、どうしよう…」と悩んでいる方は、まずは専門家に相談し、選択肢を整理してみることをおすすめします。
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