いらない土地を手放したいときの対処法
「いらない土地を処分したい」と考えたことがある方もいるのではないでしょうか。土地と聞くと「価値がある」「財産だ」といったプラスのイメージを持つ人が多いですが、実際には「持っているだけで損をする」と感じてしまうような土地も存在します。
たとえば、辺鄙な場所にあって利用価値がなかったり、農地以外に用途がない土地だったり。こうした土地は買い手が付きにくく、固定資産税などの負担だけがのしかかってくるため、「持っていても意味がない」「むしろ手放したい」と感じる人も少なくありません。
今回は、そんな「いらない土地」をどう処分すればよいのか、その現実的な方法について解説していきます。
いらない土地を持っていると起きる問題
税金がかかる
土地は、使っていても使っていなくても「所有しているだけ」で毎年固定資産税が発生します。たとえ評価額が安くても、広さによっては負担額が大きくなることもありますし、更地だと軽減措置が適用されず、税金が割高になるケースもあります。
農地だから安いと考える方もいますが、それは「実際に農地として利用している場合」に限ります。耕作していなければ農地としての評価も下がりませんし、結局使い道がなければ負担だけが続くことになります。
管理の手間がかかる
土地の所有者には「管理責任」が発生します。草が伸び放題、ゴミが不法投棄され放置されているような状態にしておくと、火災や事故のリスクも高まり、最悪の場合、損害賠償を求められることもあります。
土地を所有している限り、定期的な見回りや草刈り、清掃などが必要になります。遠方に住んでいると、こうした管理が特に難しくなり、余計に負担に感じてしまいます。
子ども世代の負担になる
いらない土地をそのままにしておくと、自分の死後に相続人が困ってしまうケースも多いです。不要な土地でも相続税がかかり、さらにその後も固定資産税や管理の手間が子どもに引き継がれるからです。
相続放棄をすれば回避はできますが、その場合は他の財産もすべて放棄しなければならず、簡単には選べません。こうした理由から、「いらない土地」は自分の代で処分しておくのがベストです。
いらない土地を処分する方法
1. 売却を再検討する
過去に売却を試みたけれど売れなかったという場合でも、方法を変えれば売れる可能性があります。
たとえば、
- 古家付きなら解体して更地にする
- 信頼できる不動産会社に改めて依頼する
- 仲介ではなく、直接不動産会社に買い取ってもらう
という選択肢があります。
特に「不動産買取」はスピードも早く、古い建物や立地が悪い物件でも対応してくれる業者が多いため、売れ残っていた土地を手放す手段として有効です。
2. 土地を分筆して売る
広すぎる土地は個人にとって扱いづらく、敬遠されがちです。そうした場合は「分筆登記」といって、土地を小さく分けて売るという方法もあります。
その地域の住宅の平均的な広さを参考にして分ければ、ニーズに合った形で売り出すことができ、売れ残りリスクも下がります。
3. 自治体への寄付
自治体に土地を寄付できる場合もあります。ただし、無料で引き取ってくれるとは限らず、利用価値があるかどうかを審査されます。
各自治体には「寄付受け入れ基準」があるため、事前に役所へ相談し、写真や登記簿などの資料を用意して持参すると良いでしょう。
4. 法人や団体への寄付
一般企業では難しくても、NPO法人や公益法人などであれば引き取ってくれる可能性があります。たとえば、保養所や研修施設として利用したい法人もあります。
法人への寄付は、受け取る側が経費処理できることもあり、個人に譲渡するより話が進みやすいケースもあります。
5. 隣接地の住人に声をかけてみる
意外と盲点なのが、隣地の所有者への声かけです。隣接地の住人にとっては、土地が広がることでメリットがある場合もあり、譲渡に応じてもらえる可能性があります。
この場合、贈与税などの課税リスクがあるため、事前に税務署や専門家に相談したうえで進めましょう。
6. 空き家・空き地バンクへの登録
自治体が運営する「空き家バンク」や「空き地バンク」に登録しておけば、土地を探している人の目にとまるチャンスが広がります。登録は無料のことが多く、使わない手はありません。
土地そのものに価値があるというより、「この場所で何かを始めたい」と考えている人とのマッチングに可能性があります。
まとめ
「土地は持っているだけで財産」と考える人は多いですが、実際には管理義務や固定資産税など、コストばかりがかかってしまうケースも少なくありません。
特に、自分が使う予定がない土地をそのまま放置していると、将来的には子どもにまで負担をかけてしまうことになりかねません。そうした土地は、できるだけ早めに処分を検討することが大切です。
売却が難しければ、買取業者や寄付先を探したり、隣接地の人に声をかけたりと、選択肢は複数あります。最近では「相続土地国家帰属制度」のように、条件を満たせば土地を国に引き取ってもらう制度も登場しました。
いずれにせよ、「いつか使うかもしれないから…」となんとなく持ち続けるよりも、現実的にどうするべきかを早めに考え、行動に移すことが後悔しないための第一歩です。
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