空き家相続する際の注意点!具体的なケースと内容

空き家

実家を相続したものの、すでに自分の住まいがあるという方にとって、空き家の扱いは悩ましい問題です。今の日本では少子高齢化が進み、空き家が増え続けていることが社会問題として取り上げられるようになっています。適切に管理されていない空き家は、景観を損ねるだけでなく、放火や不法侵入などの犯罪リスク、さらには動物が住み着いて悪臭の原因になるなど、さまざまなトラブルの元になります。

特に、近年では一人っ子同士の結婚が当たり前になりつつあり、夫婦それぞれに実家がある状態で新たにマイホームを購入する家庭も多く、空き家が一気に2軒発生するということも珍しくありません。こうした背景から、空き家の適切な管理は所有者の責任として非常に重要になっているのです。

この記事では、実家などを相続して空き家を所有することになった場合に行うべき管理のポイントを解説していきます。


空き家の管理で押さえておきたい5つのポイント

  1. 定期的な換気を行う

空き家の老朽化が早まる大きな原因が「湿気」です。人が住んでいない家は通気が悪くなり、湿気がこもってカビが生えたり、木材が腐ったりして建物の傷みが加速します。月に1回は家に足を運び、窓や押し入れ、クローゼットなどを開けてしっかり換気を行いましょう。

  1. 通水を忘れずに

水を長期間流さずに放置すると、配管内の水が蒸発して悪臭が発生したり、害虫・ネズミが侵入する原因になります。加えて、配管の劣化や錆も進みやすくなります。月に1回は、全ての蛇口から1分程度水を流して、にごりや水圧の異常がないかもチェックしておきましょう。

  1. 雨漏りの有無を確認する

雨漏りは家の価値を一気に下げる深刻なトラブルです。湿気の原因にもなり、木材の腐食を引き起こします。定期的に天井や壁を確認し、シミやクロスの剥がれ、他の部屋と比べて異常な湿気がないかをチェックしましょう。万一雨漏りが発覚した場合は、自分で直そうとせず専門業者に依頼してください。

  1. 敷地内外の清掃を徹底する

空き家に訪れた際は、室内のホコリ取りはもちろん、特に庭や外回りの手入れが重要です。雑草が伸び放題だと害虫や小動物のすみかになり、悪臭やご近所トラブルの原因になります。また、不法投棄されやすくなり、最悪の場合は放火リスクも高まります。

  1. 建物の外観や防犯面もチェック

外壁や屋根、雨樋の劣化がないかも定期的に確認しましょう。また、誰も住んでいないと見なされると、空き巣や不法侵入のリスクも高くなります。割れたガラスがある場合などは、早めに修理し、必要に応じて防犯対策を講じてください。


空き家を所有するデメリットとは?

「家は資産」と思いがちですが、空き家に関しては所有しているだけで大きな負担になる可能性があります。

  1. 固定資産税の負担が大きい

空き家でも不動産である以上、毎年固定資産税が課税されます。誰も住んでいなくても、1月1日時点で所有していれば納税義務が生じるのです。特に家屋が老朽化し、管理が行き届いていないと「特定空き家」に指定され、固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、税額が最大6倍になるリスクもあります。

  1. 管理費がかかる

自分で管理する場合でも、交通費や維持のための費用が発生します。遠方に住んでいる人は特に大きな負担になりますし、外部の管理サービスを使うと、月5,000~10,000円程度の費用がかかります。庭の手入れなどを依頼すれば、それ以上になることも珍しくありません。

  1. 火災保険の適用外になるケースがある

空き家は火災保険の対象外になる場合が多く、万一火災が起きた際に保険金が支払われない可能性があります。住んでいた当時の保険を継続していても、空き家であることが発覚すれば、保険が無効になるケースがあるため注意が必要です。


まとめ

実家を相続して空き家を所有することになった場合、そのまま放置するのは非常にリスクが高く、金銭面や近隣との関係でも多くのトラブルにつながりかねません。

定期的な換気や通水、清掃といった基本的な管理を欠かさず行うことで、家の状態を維持することができますが、それでも時間やコストはかかります。

管理が難しいと感じた場合、無理に維持し続けるよりも、早めに売却を検討することが賢明です。維持費や税金などの負担を減らし、次の有効活用につなげるためにも、空き家は「所有し続けるより、早めに手放す」ことが将来的に後悔しない選択と言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました